【宿泊記 2018年8月 京都/京の温所 岡崎】京町家をリノベーションした宿泊施設で京都の暮らしを体験してきました

連日猛暑が続く中、友人三人と京都へ小旅行に行ってきました。

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京の温所 岡崎

女性用下着会社のワコールが、京町家をリノベーションした新しいスタイルの宿泊施設を今年オープンしました。それが京の温所(きょうのおんどころ)です。

京都にはたくさんの京町家が今も残っていますが、その中には建物の老朽化や住人の高齢化などが理由で空き家になっているものも多くあるそうです。それをワコールが借り上げ、リノベーションし、宿泊施設として運営しながら改修費用などを回収、賃貸期間が終了したのち、また住居として所有者に返す。ここまでが一連の流れであり、京の温所には、伝統的な京町家の文化を次の世代につなぐ役割もある宿泊施設になっています。

現在は、岡崎と釜座二条に1棟ずつオープンしており、今回私は岡崎にある京の温所に宿泊してきました。

フロント

各宿にスタッフは常駐していないので、受付はJR京都駅八条口から徒歩5分のところにあるワコール新京都ビルの1階で行われます。

フロントの営業時間は10時から17時まで。宿泊者を各宿へ送迎してくれるサービスはありませんが、フロントでの手荷物預かりと、その手荷物を宿まで運んでおいてもらえるサービスがあります。各宿は16時から利用可能なので、先にフロントで受付を済ませ、手荷物を預け、身軽になってから京都を観光することができます。遠方からの観光客はJR京都駅を使うことが多いと思うので、宿泊者の動線を考えるとフロントは良い立地だなと思いました。

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フロントは、ワコール新京都ビルの八条通側エントランス入ってすぐのスペースにあります。オフィスビルの1階とは思えない開放感のあるおしゃれなエントランスで、人通りも少なく、静かな場所です。冷たい飲み物をいただきながら、宿の使い方の説明などを受けました。

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とても良いサービスだなと思ったのが、こちらのカード。宿泊予約の際、どのようなメンバーでどのような目的で宿泊するのかを事前にスタッフの方に伝えておくと、その宿泊者に合わせた観光地や飲食店などをピックアップしてくれます。飲食店のカードを例にとると、店名、お店の紹介、住所、電話番号、営業時間、定休日、おすすめメニューまで書いてあります。私たちもこちらで紹介されていた喫茶マドラグに実際に行き、おすすめされていた玉子サンドを食べてきました。とっても美味しかったです!QRコードをスマホに読み込めばGoogleマップ上でも住所が確認できるので、移動の際にも便利でした。

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今回私たちが予約したプランは、京都の調味料のおみやげ付きでした。「京・西陣 孝太郎の酢」のぽんずと「七味家本舗」の調味料を数種類から選ぶことができます。ぽんずには、ゆず酢、すだち酢、だいだい酢の三種類がありましたが、今まで食べたことのないだいだい酢のぽんずを選択。京の温所オリジナルの巾着袋に入れて頂きました。

アクセス

猛暑の中、京都を観光…する元気もあまりなく、クーラーのきいた涼しいカフェをいくつか巡ったあと、タクシーで宿へと向かいました。

最寄駅の地下鉄東西線 東山駅からは徒歩8分です。平安神宮の大鳥居がすぐ近くにあります。

外観

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こちらの建物が今回の宿泊施設、京の温所 岡崎。二階建ての京町家を一棟貸し切りできちゃいます!両隣は民家で、あたりは人通りも少なく、とても静かで落ち着いた場所にあります。

玄関

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建物のつくりは昔ながらの京町家をベースにしていますが、設備は近代的。玄関の鍵はタッチパネルで暗証番号を入力するスマートキーです。物理的な鍵がないので、宿を退出するときもフロントに行く必要がなく、退出の時間が来たら鍵をかけて外に出るだけでOK。

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京町家らしい、間口は狭く奥に長いつくりの建物になっていて、小さな中庭もあります。

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玄関には一輪挿しに真っ赤なケイト。この花は最初から生けられていたものではありません。

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フロントでスタッフから宿の説明を受けたときに、宿には花切ばさみと一輪挿しが用意してあることを聞いていたので、お花屋さんで花を一輪買ってから宿に向かい、自分たちで生けました。コンビニで飲み物を買ってから宿に向かうことはよくありますが、花屋で花を買ってから宿に向かったのは初めての経験でした。自分たちで選んだ花がそこに飾られているだけでも、宿に愛着が湧き、自分たちのおうちにいるような感覚を覚えることができます。

ダイニング

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中庭に面したダイニングは明るくて居心地が良く、私たちは夜も朝も起きている間はほぼここで過ごしました。

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椅子の生地はミナペルホネンのタンバリン柄でした。

ミナペルホネンのデザイナー皆川明さんは、京の温所のコンセプトやロゴデザインの監修などもされています。今月オープンしたばかりの京の温所 釜座二条の宿泊施設も、建築家の中村好文さんと共に皆川明さんがディレクションを担当されていて、こちらもとても気になっています。

和室

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中庭が見える和室は掘りごたつになっていました。冬はここで過ごしたくなりそう。

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座布団にもミナペルホネンのファブリックが使われていました。

キッチン

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宿泊施設とは思えないお家みたいなキッチン。IHコンロにグリルとオーブンレンジ完備。いや私のお家よりずっと充実してるし新しい!

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シンクも広くてピッカピカ。

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冷凍冷蔵庫も大容量。2リットルのお水は自由に飲めます。

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フライパン、雪平鍋、ストウブ、炊飯鍋、包丁、まな板、ボウル、ザル、計量カップ、ピーラー、おたま、トング、菜箸、サランラップ、などなど。調理器具も一式揃っているので、外にごはんを食べに出るのではなく、自分たちで料理をして宿の中で食べることもできます。

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お皿、お椀、グラス、コーヒーカップ、カトラリーも一通り揃っています。

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煎茶、ほうじ茶、コーヒーのセット。コーヒーはカプセル式の他に、京の温所オリジナルブレンドのドリップコーヒーも楽しめます。お茶菓子は聖護院八ッ橋でした。

バス&トイレ

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脱衣所にトイレと洗面台があります。2階にもトイレと小さな洗面台がもう一つずつあるので、3名で泊まる分には困ることはありませんでした。

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浴槽は大きな高野槇風呂。洗い場も広く、ゆったり入れます。シャワーは固定ではなくハンドシャワーです。

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アメニティ(シャンプー、リンス、ボディーソープ、石鹸)はシー・オー・ビゲロウのものでした。ここだけは京都じゃなくてニューヨーク。あと歯ブラシと綿棒がありました。

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ソープディッシュが珪藻土!これは嬉しい!ホテルの石鹸を水はけの悪いソープディッシュと組み合わせるぐらいなら液体のハンドソープにしてほしいと常々思っていたので、これは嬉しい革命。

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ドライヤーはみんな大好きパナソニックのナノケア。合格!

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タオルは一人につきバスタオルとフェイスタオルが1枚ずつしかなかったので、常に乾燥したタオルを使いたい"妖怪タオル使い"としては少なすぎました。
パジャマはワンピースタイプです。

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乾燥機付洗濯機も完備。連泊する人には嬉しいですね。

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二階へ上がります。

寝室

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洋室にはシングルベッドが二台。天井は三角屋根になっていて広く感じます。

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書斎スペースには本棚が。小説、写真集、絵本、エッセイ、料理本など、つい手に取ってみたくなる本が並んでいました。私たちはみんなで「ねずみくんのチョッキ」を読みました。なつかしい~

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この宿には最大6名が宿泊可能なので、シングルベッドには2人、あとの4人は和室にお布団を敷いて寝ることになります。私たちは3名で宿泊だったので、1人がお布団でした。

お部屋の紹介は以上です。

京の温所での過ごし方

この日の夜は、友人のお知り合いのとっても料理が上手な方に京のおばんざいを作っていただき、デリバリーしていただきました。

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万願寺とうがらしや鱧など、京都ならではの食材を使ったおばんざいが6品といなり寿司。どれもとっても美味しかったです!

京の温所には充実したキッチンが備え付けられているので、自ら料理を作って食べることもできますが、たとえ自分たちで作らなくとも、テイクアウトやデリバリーしたお料理をみんなでお皿に盛り付け、食卓を囲んで時間を気にせずゆっくりと食事やお喋りを楽しむことができるのも、京の温所ならではの体験だと思います。

ホテル滞在とはまた違い、居心地の良いお友達のお家にお邪魔したかのようなリラックスした時間を過ごすことができました。翌朝、朝ごはんを食べに外へ出て、また宿に戻ってきたときには自然と「ただいま」と口にしていました。京の温所、また気の置けない友人たちと訪れたいです。